採光機能の基礎原理実証

太陽光を模擬した採光機能の基礎原理実証実験

太陽光を模擬した採光機能の基礎原理実証実験

露光試作したサンプルは、窓ガラスに一般的に使われているものと同じ厚さ6mm のガラス基板に貼り付けます。ホログラムを貼り付けた面の反対側のガラス面から光を入射して、ガラス内部に採光可能かどうか、また、採光された光の波長はどのようになるのか等を実験により検証しました。

その結果、写真のように、ガラスの下端面から緑色の光が出射されることが確認されました。ガラス端部は、テーパー状の鋭形状にしてプリズムの作用を持たせているので、出射した光はいろいろな方向に屈折されて出てきています。
太陽光を模擬した白色光がガラスに入射し反対側のホログラムに到達すると、ホログラムの波長選択特性により緑色の波長だけがガラス内部に取り込まれ、ガラス端面まで送られた後に、ガラス終端面から出射される事が確認されました。これにより、 Holo-Window の基本原理が実験により実証されました。


試作ホログラムによる採光効率の基礎評価

試作ホログラムによる採光効率の基礎評価

Holo-Window において、入射する光が最終的にどの程度太陽電池セルまで到達するかが重要です。
そのため、この比率を「採光効率」と定義しました。これは我々独自の規定です。
当初のサンプルでは、11%程度の採光効率でしたが、露光技術が習熟するに従い、最終的には、緑色の波長において、採光効率 δ = 53% を達成しました。 しかしながら、太陽光は、春夏秋冬や緯度で仰角が変わり、朝昼夕の時間により方位角が時々刻々と変化します。また、波長帯も紫外の短波長域から赤外の長波長域に至るまで広い波長スペクトルを有しているため、ホログラムでこれら全てを効率的に採光できるようにするのが究極のゴールです。